文春オンラインに掲載(2/7)に関する見解

今晩(2/7)、文春オンラインに「『税金のセコい使い道』「区内のギリギリで車を降りて…」世田谷区長保坂展人の涙ぐましい公用車“不適切使用”疑惑の裏にある「世田谷vs狛江」の複雑な2拠点生活」という記事が掲載されました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8442fc89d020a018a2b43eda92417bb33209416e

編集部から文書で質問を受けて文書で回答(以下、回答文)していたのですが、引用が恣意的であり不正確な部分もあるので指摘したいと思います。

まず、「代沢」と「狛江」の2拠点生活自体は事実です。記事の後段の方に引用されている回答文には、その経過と理由を述べています。

「主たる生活の本拠地を世田谷区内の代沢に置きながら、世田谷区に隣接する狛江の自宅も利用している状況です。自治体の首長には居住要件がなく、区長就任当時の自宅は狛江市のみでした。就任後、激務であることから区内東部の代沢に私費で住居を借りています。この二ヶ所で、区内の東部と西部をカバーすることができて、効率的に利用しています。代沢と狛江のどちらにも自宅があり、公用車の使用につきましては問題ないものと認識しております。なお、狛江市と世田谷区は隣接しているほか、ご指摘の狛江市の物件は世田谷区との境界にあります」

国会議員時代からの自宅は狛江にあり、2011年の区長選挙ではそのまま選挙をたたかいました。自治体の首長は、その自治体に居住することという居住要件は存在しません。ただし、区長の仕事は長時間にわたり、多忙を極めることから、区内の東部にあり都心に近い代沢に、私費で賃貸マンションを借りています。

地図で見ていただけると分かりやすいのですが、代沢は世田谷区の東側にあたり、狛江の自宅と隣接する喜多見は世田谷区の西端にあります。世田谷区は、人口も90万人を超えて、面積も山の手線の内側ぐらいの58キロ平米となり、区の西端に接する狛江の自宅は、成城学園前にある砧総合支所や北部にある烏山総合支所、また二子玉川などは、代沢よりもはるかに近い距離にあります。

主たる生活の本拠地として区に届けている代沢は、区内東部にあり長年にわたって再開発をめぐって難しい局面にあった下北沢に近く、区役所にも近い地の利も考慮して、民間賃貸マンションを借りています。「通勤届」を提出する理由を区役所担当者に確認してみると、通勤手当の支給の際に必要となるということですが、移動手段は公用車を想定しているので、当然ながら通勤手当はありません。従って、「通勤届」を出す特段の理由はないとのことです。  さらに、タイトルにもある「喜多見」でタクシーを下車して、チケットに記載したことが「涙ぐましい」などとされていますが、世田谷区との境界にある狛江の自宅は目と鼻の先が世田谷区というまさに区市の境界にあり、世田谷方面から来て家の手前で下車すれば、そこは「喜多見」ということになります。

なお、このことは、2016年6月15日の世田谷区議会定例会において、世田谷区から答弁しておりすでに明らかにされているとおりで、特段問題にされておりません。

【ご参考:2016年6月15日総務部長答弁 http://kugi.city.setagaya.tokyo.jp/voices/CGI/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=0&SORT=0&KTYP=2,3&KGTP=1,2&TITL_SUBT=%95%BD%90%AC%82Q%82W%94N%81@%81@%82U%8C%8E%81@%92%E8%97%E1%89%EF%81%7C06%8C%8E15%93%FA-03%8D%86&KGNO=1419&FINO=3326&UNID=k_H28061500036】
「区長は、生活の本拠地を区内に置きながら、資料整理や御予定の状況等により、狛江のお宅も御利用されている状況です。区長は、昼夜を問わず世田谷区が実施する全ての事務について管理、執行する権限と義務を負っていることから、公務にかかわる案件や、緊急時においても連絡調整や指示等を迅速に行う必要があります。このため、常に直ちに連絡がとれる体制を整えることが基本と考えており、防災行政無線を御自宅に設置するほか、区長公用車にも防災行政無線を配備し、公用携帯電話の所持や連絡体制を整備するなど、自宅に限らず、公用車での移動中を含め、さまざまな場所において効率的な事務執行が可能となるよう体制をとっております。」

また政治家の講演会に公用車で向かったという点については、記事中にも引用されている回答文は次の通りです。

当日は、定例記者会見の後、公務で渋谷区にいたところ、その後千代田区まで移動する車中で区政に関する連絡及び相談をする必要があったため、公用車を千代田区まで使用しています。千代田区まで移動した後は、直ちに公用車は帰庁しており、帰路の使用はなく、適正に使用したと認識しております。

コロナ禍の3年間、リモートワークが増えたのは自治体の長も例外ではありません。移動中の車内で数多くの連絡や相談を受けます。センシティブな内容に関する打ち合わせなどはタクシーの中ではできませんが、公用車の中であれば行うことができます。「政治活動」のみの用途に公用車を使うことのないように注意をしておりますし、今後ともルールに従って適正な運用につとめるべきであると考えています。

記事の最後にある「区役所建替えにともなう区長室用に1200万円分もの家具が購入されています」という部分は、余りにも事実と異なる指摘で驚きました。この点について文春オンラインからは取材を受けていませんが、同時期に本件で取材を受けている「別メディア編集部」からも質問状が届いたのですが、そちらでは詳しく聞かれていたので、下記のように答えています。
「御指摘の物品等については、昨年度の什器レイアウトの検討段階のもので、まだ入札、契約が決まっておらず、区長指示で購入金額の低減に向けた調査をしており、既存備品で引き続き使用できるものがあれば使用することも含めて、区長執務室等の大幅の見直しを進めています。また、購入までには今後入札手続で適正性が確保される見込みです」

つまり、今回の指摘の根拠となっている物品等に関する資料は、業者から取り寄せた見積書に過ぎず、その後に相見積もりや減額交渉などがなされ、最終的には正式な入札手続を経て購買に至るその途中段階の一部資料に過ぎません。なぜ、事実確認もなく、途中段階の資料に基づいて、あたかも区長の指示で過度に豪華な物品を既に購入したかのような印象操作とも言える記事を掲載するのか怪訝に感じます。

以上の次第ですので、文春オンラインの記事にあるように無駄に豪華な「1200万円分もの家具が購入されています」という事実は全くありません。他の首長の例などもあり、ご心配をなさる方がおられるかもしれませんので、ここで明言しておきます。